詩文解読のための「捜韻」の使用例を范成大の「四時田園雑興」を例として示す。
1.范成大の「四時田園雑興」については『范石湖四時田園雑興詩鈔』が国会図書館ディジタルコレクションとして閲覧、ダウンロード可能であるが、これを復刻することは、多大な手入力を必要とし、俗字、不明瞭な字の解読に多大な時間を要する。
これに対し、「捜韻」を利用すれば、詩題と作者の入力だけで、直ちに60首をディジタルデータとして抽出可能である。

この他、和刻本の復刻においても、詩文の一部を入力することにより、ディジタルデータを得ることができ、手入力の手間が省けることが「捜韻」の最大の特徴である。
2.詩文解読
抽出された60首の内、参考文献のある物は、神奈川漢詩連盟で作成されて公表されている「漢詩和訳掲載書目次検索」により文献を検索して参考にすることができる。
以下、参考文献の無かった「春日田園雑興 其四」について説明する。「捜韻」では以下の通り検索できる。

(1)「詩題」(この場合「其四」)をクリックすると、熟語等を検索可能な画面が現れる。青字になっている部分が「漢語大詩典」「国語辞典」に解説のある部分である。

(2)起句の「老盆」「杜茅柴」の意味が不明なので、これらをクリックする。

これによると、○老盆…酒を醸す器。○杜茅柴…自家製の薄酒。であることがわかる。
(3)承句の「田頭」「祭社」についても同様にすると

○「田頭」…田邊、田畔。○「祭社」…土地の神を祀る。であることがわかる。
4.このようにして、他に「大漢和辞典」等を活用して、以下のごとく纏める。
